MizushitaTaru's blog

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idea>『青い鳥』/擬人化のこと

今日、メーテルリンク堀口大學訳の新潮文庫『青い鳥』を読みました。(※後半あたり萌え萌えいってます、閲覧注意)

子どもの頃に読んだことがある人ばかりだと思いますが、自分は読んだことがなかったのですごく新鮮に読めましたー。

なんというか、正義と偽善の物語というか……ザ・童話な感じですが、ところどころに今だったら問題になりそうな表現もありますねー。ううむ。
子どもの頃に読んでいたら文面だけ見て純粋に読んでいただろうなあと思うと成長したなぁwと思いますね。
いいとも悪いとも思いませんが、楽しむ視点が増えているなーと感じると単純に嬉しいです。
思い出の国と母の愛のくだりボロ泣きしてしまったしね、まだ純粋だよ……と自分に自分で言い聞かせる(笑)


自分が面白いな!と思ったのは、『青い鳥』は擬人化の物語だったから。

そもそも『童話劇』(新潮文庫のホームページから引用)だから、擬人化も当たり前に行われていたことなのかもしれませんが(※『青い鳥』が書かれた時代背景とか知らないです、すみません)、動物の擬人化ってよくありますけど、
「戦争」「やまい」「○○したときの幸福」とか「正義」とかまで擬人化ってなるとヤベェ……擬人化しすぎだろ、どこまで行くんだよと思ってしまいましたね。オタク的文脈で擬人化モノ流行ってたなーとか思ってる場合じゃない。『青い鳥』すげぇ。
神話とかまでさかのぼってみると、「パンの神」とか「ワインの神」とかっていろいろありますもんね。特に古代エジプトとかギリシャもそうかな。日本もそうですけど。つまりなにがいいたいかというと昔から行われてきたことだぞ何を今さらwwwってことなんですが。
まぁ神話よりかは『青い鳥』のほうがオタク文脈(というか現代?)に近くて面白かった。機械や病気、薬、罪なんかが出てくるのがまた、より今だなと思います。性的なものが一切ない(深読みすればいろいろあるけど)のも発明された「童話」ぽくていい。

以下、面白かった要素を書きだしておきます。


■アイテム

『青い鳥』はダイアモンドつき魔法の帽子っていう『人間に見えないものを見る』『人間に聞こえないものを聞く』魔法アイテム(笑)がチルチルに妖女から渡されるんです。
魔法の帽子ですぐに思い出せるのは『ききみみずきん』くらいしかないんですけど、なんで帽子なんでしょうね。身につけるもので目や耳とも近いから理にかなってるのかな。

使用方法は、帽子についているダイアモンドを回すだけ。
回したときに過去や未来が見え、人の目には見えないものが見える。こういう条件つきのアイテムは本当に面白いですね。
条件付きというと、使用回数や使用時間に制限があるものが多いですが、『青い鳥』では「思い出の国」で「光」と約束した「九時十五分前に戻ってくること」くらいしかなかったかなー。アイテムの条件ではないですね。
都合が悪くなるとダイアモンドを戻す、というオチが多かったかな。それもまた面白いです。


■好きな登場人物と関係性

チルチルとミチル
兄・妹萌え。妹はほとんど何もしなくて、兄を頼っているだけなんですが、きっと兄も妹がいなかったらあんなにかっこつk……じゃなくて、心がくじけずにいれたんじゃないかなあって思いますよ(妄想だけど)
未来に生まれてくる弟が死ぬ運命にあるって聞いてショックだったぜ……。
兄は隣の少女と恋愛フラグ立てやがって!ちくしょう!妹ルートでお願いします!(笑)

イヌ
なんといっても一番好きだったのがイヌです。めちゃくちゃかわいい……!ツボをつかれまくりました。アホの子従順わんこハァハァ……
チルチルと共闘する「森」の話は興奮した
わたし本当に主従関係が好きなんだなぁ。
オオカミとの会話も好きだったな~

ネコとミチル
ネコがミチル(妹)に助け求めるシーンが多くて萌えた。ネコが女の子で妹といちゃいちゃとかかわいいじゃないか。かわいいは正義

イヌとネコ
なぜか仲の悪い二人。裏切り者!って互いに言い合うシーンがありましたね。森とか。動物/人間の二項対立だった。二人はまだ納得いってないみたいですけど、妹にネコが助けを求める感じはもうほとんど屈服してますよねw一種のツンデレなのか?
ネコが先回りして青い鳥を見つけ出させないようにするっていうシーン好きだなー。

火と水
乱暴者の男と弱々しい(そうでもなかったけど)女のケンカップル萌え。もっと火と水のエピソード欲しかったわぁああ!!

カシワ大王と木々たち
カシワ大王さまに仕えてぇええ!かっこいいじじさま萌え。
マロニエのキャラも好きだ!(片眼鏡萌え)
まぁ、木々たちは自分のことばかり考えていて弱々しいキャラクターなんですが、ナイフに怯えているのがなんだかせつねえ……

光と幸福たちと喜びたち
「光」が直接顔を見せられない→「見せていただけませんか」→光が断り、みんなが泣く ここの流れすっげぇ萌えた。
神様の表現はほとんどなかったけどここで「光」がうっすらと「主に従わなければ」って言ってましたね。
誰が万物を作ったのか、みたいな考えもあるのかなあー。




関連ページ
メーテルリンク 堀口大學『青い鳥』|新潮社